二年生の先輩

私は、同じサークルの一つ上の気が合う先輩二人と出会った。その二人は、よく授業をさぼって遊んでいた一方で、時事問題をはじめ哲学的なことなど常に考えを巡らせている人達だった。

その先輩達と話しているうちに、おまえも俺たちの仲間だなと言われ、それ以来よく行動を共にするようになった。私は授業をさぼることはなかったが。

夏休みに入ったあとすぐ、一人の先輩と夜の神楽坂をずっと歩きながら話をし、高田馬場まで行った。先輩が知っている安くて量も多く美味しい、という定食屋で共にカレー定食を食べた。その後、途中のコンビニで寿司パックとビールを買い、北池袋にある先輩の下宿で朝まで語り明かした。

話の内容は、先輩が今まで会った人で最も頭が良いと思った人の話や地政学、文学の話など多岐にわたった。私もなぜ数学が好きなのか、物事を深く追及することとは何なのか、など好きなように話した。学生生活で何が楽しかったか、と言えば時間に縛られない自由の中で様々な人と話をしたことなのだと思う。

私は、翌朝、自分の下宿に戻るため先輩の家を後にした。冷房の効いた部屋から外に出ると、早朝にもかかわらず街は湿度の高い夏の暑さで覆われていた。

一九九〇年七月