春期大会地区予選

遂に春期大会が始まった。まずは地区予選でベスト四に入り、確実に県大会まで進まなければならなかった。地区予選とは言え、楽に勝ち進めるわけではなかった。少しでも気を抜いたり、調子が悪くて負けてしまえばその時点ですべて終わりだった。

その年の地区予選の会場に私の高校が指定されており、常日頃から慣れている体育館で試合ができるため幸運だった。その一方、会場の設営も自分達で行わなければならず大変で、当日は朝の六時頃に学校に行き、会場の準備をした。

試合が開始されたが、今までと違ったことは、時折、学校の先生や生徒が体育館二階のギャラリーに見に来ていることだった。バドミントンを知らない先生方や在校生が応援する中でプレー出来たことは、それまでに経験が無く心強かった。

大会の後半には、私のラケットが壊れてしまい、他の部員から自分の使用している物とできるだけ近いラケットを借りて試合をしなければならなくなるなどトラブルもあった。決して楽ではなかったが、団体戦、個人戦共にベスト四に入ることができ無事に県大会に駒を進めることができた。

すべての試合が終了し、会場の片付けを終えた時には夜八時を過ぎていた。顧問の先生、男子、女子部員も全員残っており、一番最後の締めの円陣は私が行いその日を終えた。帰る時にはどこでも良いから倒れ込みたいと思うほど疲弊しており、これほど疲れたのは一年生の夏合宿の時以来だった。それでも家には自転車で帰り、着いたのは夜九時近かった。

私は、ラケットを部員に返し忘れてしまい、帰宅後その部員の家に電話を掛けた。その部員はまだ家には着いておらず、お母さんが出たが、結果を伝えるとお母さんも喜んでくれた。一言二言話したあと、ラケットのお礼を言い電話を切った。

その一日で体重が数キロ減ってしまうような過酷な日だったが、まずは次に繋げることができ安堵した。

一九八八年六月