虫取り

保育園に慣れてきた頃、私は毎日のように虫取りをした。同じ保育園に通っていた近所の友達と野原に行き、生き物なら何にでも興味を持って採集した。

一番最初は、ミミズを取った。母は、外遊び用のコップを一つ用意してくれて、私はそのコップにいっぱいのミミズを入れた。

虫を取っているうちに、カマキリが大好きになり夏は毎日カマキリ取りをした。その頃は、野原が多くあり、順番に回って出来るだけ大きなカマキリを探した。取ったカマキリに餌としてトンボを食べさせたり、丘になっている場所から飛ばしたりして遊んだ。

時に五十匹以上のカマキリを捕まえて、大きな入れ物に入れて飼ったこともあった。今思えばとても残酷な事だった。そんな経験から慈悲の心が芽生え、のちに生き物をとても大切にするようになった。

数えきれない程の様々な生き物が私を育ててくれていたのだ、と今になってしみじみと思う。貴重な遊び場だった多くの野原も一つ残らず住宅地になり、昔の風景を見ることはもうできない。子供達にも、飛び回るように遊ぶことが出来たあの頃の野原で遊ばせてやりたかった。

一九七五年