夏合宿の最終日

毎年、合宿の最終日には部内で試合を行うことになっていた。入部当初、上級生の中には勝てないと思う人もいたが、いずれ追い抜く自信はあった。そのような思いもあり、合宿最終日の試合では優勝するつもりでいた。

最終日には、見に来る三年生やOBも多くなり、試合が始まる頃になると十人以上になっていた。部員は、自分の試合が終わるとOBの所に行き「お願いします!」と言ってアドバイスを聞く習わしとなっていた。

夏合宿の思い出は主将との試合で、その人は私が中学生の時の先輩だった。その先輩とは中学校の時から同じバドミントン部で共に練習し、部活以外でも町に遊びに行ったりするような良き先輩・後輩の間柄だった。

その試合は、準決勝だったが事実上の決勝戦で、三セット目まで持ち込まれ接戦だった。その時の私は、この試合をできるだけ長く楽しんでいたい、と思いながらシャトルと打ち続けていた。先輩は、私の良い打球にはナイス・ショットと声を掛けてくれて、気持ちの良い試合だった。結果は私の勝利で終わり、私は自分の技術に確かな手応えを感じていた。

決勝戦は、時間の関係で休む間も無くすぐに行われることになり、決勝まで進んできた二年生との試合だった。その試合も三セット目までもつれ込んだが、私は体力の限界に来ており負けた。

決勝戦が終わる頃には二十時を過ぎていた。最後に締めの円陣を組み、厳しい夏合宿も遂に終わった。静寂を取り戻した夜の体育館の照明がやけに明るかった。

一九八六年八月