ドライブ

小学生の頃、休日には父と母と三人でドライブに出かけたりした。姉は中学生で忙しく、別行動が多かった。いつもシーサイドラインを通り、スカイラインで山頂に行くコースを走った。シーサイドラインを走っている時に見える海岸線の景色は、吸い込まれるような美しさだった。スカイラインを走り山頂に行き、山間から見える海は、静かで時の流れが止まっているかのようだった。

シーサイドラインの休憩場には売店があり、夏場は賑わっていた。焼きそばを買った時の事だった。作っている人から少し塩を入れ過ぎてしまって塩っ辛くなってしまった、もう一回作り直すには時間がかかると言われた。私は塩辛くてもよいからと言って買ってもらったが、その塩辛さは想像以上で、三人で「ああ塩っぱい」と言いながら食べた。

父は、私が高校生になる頃から単身赴任をしていた。週末、家に帰る時は、いつもこの海岸線を通って景色を楽しみながら運転している、と言っていた。冬は厳しい日本海の荒波を見せ、夏には、美しく静かな青い地平線を望む。夏の夜には、遠くのイカ釣り漁船の電灯が規則正しく並んでいた。何もかもが変わって行くが、この海だけは無常の世の常なのかもしれない。

一九八〇年頃