二度目の手術前日

二度目の手術は、最先端循環器センターでの手術となり、前回とは違う病院だった。そのような機関で手術を受けられる事に感謝した。同時に、自分の疾患が、そのような場所で行われなければならないほど深刻だ、ということでもあった。

二度目の手術の時は、絶対に大丈夫だ、という自信があったため、遺書は書かなかった。前回の手術で私の肥大した心臓は、正常に近い大きさに戻っており強くなっていたことから、手術に問題なく耐えられると思えていた。

前日に病院に行き、前回と同様に手術の準備をした。 前回の経験から麻酔の副作用が出やすく、手術後の覚醒時にかなりの吐き気に襲われることが予想されたので、事前に看護師に伝えた。

今回は、大動脈と僧帽弁の置換だった。僧帽弁は、前回の手術で直したが、再び炎症をおこしており置換が必要となっていた。大きな手術で時間もかなり掛かることが想定されていた。

その夜、病室の空調の調子が悪く、十二月半ばという時期に温風があまり出ずに寒くて良く眠れなかった。二度目の手術で慣れていたとはいえ、不安が無いと言えば嘘だった。眠れない中、家族の顔を思い浮かべ必ず戻ると心で誓った。

二〇一八年十二月十二日