碧空の下で

接客業が好きだった母が、本来の自分に向いている仕事に就いた。低賃金でしか働いたことのない母は、基本給の高さに驚いたという。数ヶ月の研修期間を経て徐々に仕事に慣れてくると、ついに母の快進撃が始まった。 …

凪模様

新居に移った後も苦しい生活は変るはずもなく、家計と住宅ローンのため、母は家事とパートに追われる忙しい日々を送っていた。 母の苦労が絶えることはなかったが、少なくとも自分の家で落ち着いて暮らすことが出来…

降り止んだ雨

土地を買ってから五年という歳月が過ぎた。 その間に私の姉が生まれていた。土地を買った後、何とかお金を貯め続け、やっと家を建てる目途が付いた。そして、ついに一戸建ての家を建てることができた。 コンロを廊…

雨のち雨

時は、上り坂の好景気に沸き立っていた。 高度経済成長期とあって、銀行からはお金を借り易かった。母は銀行から借金をして、その他にも四方八方からお金をかき集めた。しかし、どうしても土地の支払いには少し足り…

寝耳に水

時の世の中は、高度経済成長の直中にあった。貧しい片田舎ではそんな恩恵も限られていたが、それでも少しずつ給料は増え、昨年よりは今年、今年よりは来年の方が良いという時代の流れに乗っていた。 そんなある時、…