その時の私
大学一年生の六月頃だった。高校時代のバドミントン部員だった一人と会う機会があった。上京してから地元の友人と会うのはそれが初めてで、彼とは違う大学だったが共に東京に住んでいた。 夕方遅くに彼の下宿先に行…
大学一年生の六月頃だった。高校時代のバドミントン部員だった一人と会う機会があった。上京してから地元の友人と会うのはそれが初めてで、彼とは違う大学だったが共に東京に住んでいた。 夕方遅くに彼の下宿先に行…
朝食はトーストを数枚食べてから下宿を出るか、早めに大学の学食に行き、八十円のかけそばやかけうどんを食べたりしたものだった。駅までは徒歩十五分ほどで、その行き帰りの道を歩くことも楽しかった。私は、高校ま…
一人暮らしを始めた頃は不安で、五月のゴールデンウィークになれば帰省できるのだから、と気休めに考えていた。しかし、大学生の生活にも慣れ、五月に入る頃にはサークルの付き合いや勉強で忙しく、帰省のことは考え…
初めての下宿先は二十三区の外れにある、グリーンハウスという名前の古いアパートだった。蔦が塀の至る所に這っており不気味で、ジャングルハウスという名前の方が合っていた。一階にあったその四畳半の部屋は古めか…
一九九〇年四月は、一人暮らしをしながら大学に通う日々が始まった特別な時だった。私の下宿先は東京二十三区ではあったが、都心から離れており少しは静かな雰囲気が残っていた。そんな場所から毎日、電車を一本乗り…