手術の日が来た。早朝五時半の起床の予定だったが五時過ぎには目が覚めた。
昨晩はシャワーを浴びたあと殺菌用ウェットタオルで全身を拭いたが、当日の起床後も全く同じことを繰り返した。その後、手術用の衣類に着替えベッドに横になった。夜明け前の空がうっすらと白みがかっている中、何とも言えない緊張感が病室全体に漂っていた。
ベッドに横になっていると、看護師から二錠の鎮静剤を手渡され、それを飲んだ。不安と緊張で眠りが浅かったためかすぐに頭がぼんやりしてきて、とても心地の良い気分となった。そのあとベッドごと移動しているのが分かったが、周囲の音が遠くなり、動きがスローモンションのように感じられた。そして、麻酔師が注射器を持っている姿が目に入った。
記憶はそこで途切れた。
二〇十五年八月