私が幼少の頃、年に数回ほど父に連れられ本家に行くことがあった。父は本家が好きでよく行っていた。
祖父の葬儀が本家で行われる時、父は準備のため忙しそうに作業をしていた。私は何かと待たされ、手持無沙汰のことが多かった。そんな時、父は、家の前にある竹やぶから竹を切ってきて、手持ちのナイフで竹とんぼを二、三個と竹鉄砲をあっという間に作ってくれた。父は指先がとても器用だった。
私はそれに感動して、父をすごいと思った。今思い返しても、あの竹とんぼや竹鉄砲は、民芸品店で売っていてもおかしくないような出来だった。竹とんぼはとてもよく飛び、綺麗に出来ていた。竹鉄砲は、ティッシュペーパーに水を吸わせて丸め、先端の小さな穴につめてから取っ手を勢いよく押す。すると、ポンと良い音を立て、玉が遠くまで飛んだ。そんな手作りのおもちゃのおかげで私は退屈せずに済んだ。
在郷で育った父は、子供の頃にこうして自分でおもちゃを作って遊んでいたのだろう。辺りは一面田んぼでのどかな平野が広がっていた。近くにはお寺があり、父も子供の頃に境内やこの辺りを走り回って遊んだに違いない。
一九七〇年代後半