今度は急性咽頭炎

二〇代も終わりに近づく秋頃、微熱とのどの痛みが続いていた。売薬を使いながら、食事をしっかり取るように心がけ、何とか日常生活を送っていた。ある時から、薬を飲んでも熱が下がらなくなっていた。病院で診てもらうと、急性咽頭炎で外来で直すことは難しいとの診断で、即入院となった。

薬が効かなくなったのは、極度の脱水症状に陥ったことが原因だった。脱水症状という言葉は知っていたが、それがどのような状態なのか初めて知った。その言葉の響きから、砂漠で水がなく、彷徨うような状態を想像していが全く違った。自覚症状は無く、医師に言われなければ分からないようなものだった。

入院した日から大量の点滴を開始し、点滴ボトルが部屋に二〇本以上並べられていた。治療は抗生物質を使いながら体を安静に保ち回復を待つ以外なかった。激痛で「飲み込む」という動作が出来ず、飲み込めずに垂れてくるよだれをタオルで受けるという状態だった。食事前に痛み止めと胃薬を服用したが、それでも痛くて少ししか食べることができなかった。

年末近くでクリスマスもひとり病室で過ごしていた。廊下から聞こえてくる聖歌隊の歌が薄暗い病室に寂しく響いていた。入院から二週間後、少し痛みが残る状態で退院した。

一九九九年十二月