中学校に入ってすぐの頃、まだ部活を決める前のある日の早朝だった。体育館を通りかかると、バドミントン部が朝練をやっていた。中学二、三年生は中一の自分から見ると随分と背が高く大きくみえた。
その光景を見た瞬間、体中に電気が走ったかのように見とれてしまった。今まで思っていたバドミントンとは動きやスピードが全く違い、ものすごく格好良く見えた。そして、これなら自分も上手く出来る、と全く根拠のない強烈な自信が自分の中から湧き上がってきた。
部活を選んでいる期間は、小学時代のサッカー部の流れで好きでもないサッカー部の説明会に行ったりしていた。しかし、バドミントン部の朝練を見た後は、即バドミントン部に迷わず入部した。
顧問の先生は、体育大学出身でバドミントンの国体選手だったこともある先生だった。その先生からは、入部希望者にバドミントンは楽にみえるが、実際はとてもきついスポーツだからやる気のある人だけ残るように、と度々言われた。もとより持久力に自信のあった私にはそんな事は全く気にならなかった。
実際、練習はものすごく辛かった。学校の授業が午後三時頃に終わった後、三時半から部活が始まるが、最初に三千メートル程度走った後、基礎トレーニング、フットワークや素振りなど基礎練習の毎日が延々と続いた。
そのような一見つまらない練習でも私は全く苦にならず、家に帰ったあとも素振りの練習をしたり、自分で持っているシャトルを壁に向かって打つ壁打ちをいつまでも繰り返していた。
小学時代のサッカー部では、一軍選手ではあったがサッカーを一度も好きになることはなかった。しかし、バドミントンは心から好きになり、どんなに苦しい練習でも部活が楽しかった。こんな風に私の中学時代は幕を開けた。
一九八三年四月