中学一年生になるとすぐにラジカセを買ってもらった。それは、毎早朝にラジオで基礎英語という番組を聞くためだった。
私は母と共に家の近くの電化製品店に行き、店員の話を聞きながら私は赤い色のラジカセを選んだ。その店は小さかったが、店内にはレコードや最新の製品が並べてあり洒落た雰囲気だった。
店があった大通り沿いの商店街は、小規模ながらも人々で賑わっていた。そんな街も今では見る影もなくひっそりと殺風景な場所になってしまった。
ラジカセを買って貰えたことが嬉しくて、好きな音楽をカセットテープで聴いたり、ラジオを楽しんだりした。今では時代遅れとなってしまったそんな電子機器も当時は最先端の物だった。
あれから過ぎ去った四十年以上もの年月を思うと、抗う事の出来ない時の流れを感じざるを得ない。いつも思い出すあの頃は、人々が往き来する活気のあった街並みで、もう戻ることが出来ないと思うと寂しさで視界が曇る。
一九八三年四月