あの時の絵

小学一年生の時の記憶はほとんど残っていないが、絵を描いた時の事が断片的に残っている。

どんな絵を描くことになっていたのかは全く覚えていないが、図工の時間に絵を描くことになった。私は何をどう描いて良いのか全く思い付かなかった。自分だけが手が動かないことにどんどん焦っていった。そこで近くの女の子が描いている絵を見て、あれが描きたいと思って真似をして描いた。

それは校庭にある遊具で遊んでいる様子だった。私も真似て、タイヤがいくつか地面に半分だけ埋まっていて、上に出ている部分に乗って遊んでいる様子だった。その時に描いた絵はクラス全員のものが教室の壁に貼ってあった。

母と姉が学校に来た時にその絵を見ていた。姉が私の絵がその女の子の絵を真似ていることに気が付いて、真似してはいけない自分で描かなくては、というようなことを言われたことを覚えている。姉に言われる前から真似したことに罪悪感を感じていた私はとても辛く悲しい気持ちになりその後しばらく気持ちが落ち込んだ。あの図工の時間に描くものを全く思いつかなかった頭の空白感を今も覚えている。何とも言えない不快な心境だった。

その頃は登校して学校の中に入ってしまったら簡単には出ることができないような閉鎖的な場所、まるで牢獄のような所だったといつも感じていた。学校に行くことそれ自体がストレスで辛いことだった。

一九七七年