あれはいつの頃だったろうか。まだ私が随分と小さかったころだった。おそらく小学生の低学年だったと思う。姉が皮膚炎になった時、烏瓜が効くというので林のようなところまで取りにいったことがあった。
車で一時間くらい走った場所に何度か取りに行った。家族全員で行ったり、父と私だけで取りにいったりした。
父と私で行った時は夜だった。林の中に入りしばらくすると、色は橙色で檸檬のような形と大きさの烏瓜がいくつも垂れ下がっているのが見えた。足場があまり良くないところで父はあれこれ動き回って烏瓜を取っていた。
あれは一体どこだったのだろうか。いまだに見当もつかない。よく澄んだ空に星がたくさん光っており不思議な空間だった。
今思えば、両親は安易に薬を使わず、子供にとって最も安全で出来る限り良い治療をしてやりたいと考えていたのだろう。
烏瓜と聞くと必ずこの時のことを思いだす。
一九七〇年代