今日、二〇二一年九月二十六日は特別な日となった。
我が息子が、大学の宿泊施設に移動した日である。大学に合格した日が特別になるのかもしれないが、家を出て精神的に自立した日こそ特別であるべきだと思う。大学の所在地は観光地にもなっており、実に美しい地方都市である。自然に囲まれたその環境は学問を修めるには最適な場だと思う。
息子は、私の母に幼少期から懐いており、それは成人となった今も変わらない。今から五年以上前に、息子と私の母は、二人でこの地に観光で訪れている。その時に息子は、いずれここに来ることになると直感したと言う。その直感通り、今日まさにその地で新しい生活を始めることになった。
息子がプライマリー時代に、私が作った算数の問題を解いたことがあった。私は、その解き方を見た時、息子がすでに私を遥かに超えていると思ったものだった。息子が、若干十一歳の時だった。
あれから息子は、自分の人生について気が遠くなるほどの長い時間、悩み彷徨ったことだろう。その旅の果てに数学を選んだ。何と不思議な巡り合わせだろうか。今まで数えきれないほど数学の話を息子にしたが、今度は息子が私に数学の話をする時が来たのだ。こんなに喜ばしいことはあるだろうか。
これまでの楽しかった二十年間の記憶は、私のかけがえのない思い出であり宝である。本当に有難たく思う。そして、これからも末永く楽しい時間を共有したいと心より願う。今日という特別な日に、格別なウイスキーでも一杯いただくとするよ。
これから始まるすばらしきストーリーに、乾杯!
二〇二一年九月二十六日

