一九八〇年代

一九八〇年代は私にとって特別だった。激動の日々であり、息つく暇も無く全力疾走をし続けた時代だった。

自分のすべてを掛けて一世一代の大勝負をした高校受験。これまで勝負の世界で生きてきた私の人生の中でも、この時ほどの大一番は無い。この勝負がそれ以降の私の人生を決定的に変えた。中学、高校ではバドミントンに明け暮れた。その中で、信じ難い奇跡のような試合を経験した。その経験を通して、精神が肉体を超える事があり得る事を知った。自分の人生について暗中模索を繰り返した大学受験の時期。そして、一九八〇年代も終わろうとしていた時に見えかけてきた自分の生きる道。

時代は、牧歌的な雰囲気が残っていた八〇年代前半からバブル景気に沸き始めた八〇年代後半に移り、目を見張るほどの発展がものすごいスピードで進み始めていた。今年よりは来年の方が良くなっていると多くの人が実感した時期で、今には無い明るさが世相に現れていた。

そんな風潮が世の中を覆う中、私は自ら孤独を選び自宅で浪人し、より高く飛ぶためにより低く屈んで自分を研鑽し続けた。そして、人生のスタートラインに立とうともがき苦しみながら、ただひた向きに自分の道を進もうとしていた。

一九八九年十二月