二年生になって間もなくバドミントンの春期大会があった。三年生にとってはそれが最後の試合でその後に引退となる。私は、団体戦のシングルスの選手として三年生に混じって出場した。団体戦は、ダブルス二組、シングルス三名の五試合を他校と競い合う。
私の高校はいつも県大会までは毎回出場していたが、その大会では団体戦で次の地方大会出場を狙っていた。個人戦、団体戦ともに出場できる人数が決まっていたため、選手枠に入れなかった三年生の部員は、受験勉強に専念するために春期大会を前に引退していった。私はそれをとても心苦しく感じたが、団体戦は勝ちに行くという皆の強い意思の下、勝負の世界では仕方ないことだった。
引退していった先輩方は本当にすばらしい人達ばかりだった。高校でバドミントンを始めた人が多く、経験者に負けまいといつも真剣に練習をしていた。そして、私のプレーについて、いつも気持ち良く褒めてくれたりアドバイスしてくれたりした。私は、地方大会出場の条件である県大会ベスト四を必ず達成すると心に誓った。
県大会は県内の少し遠くにある会場だった。大会前日、民宿に宿泊するため皆で高速バスに乗り現地に向かった。私は、自分の役割が重責であったため、バスの中でも終始緊張しており、自分の世界に入ってイメージトレーニングを繰り返していた。その様子を見て心配に思ったのか同僚や先輩が声をかけてくれたりした。
外は良く晴れた夕方だった。車窓からの眺めは、夕日が辺り一面の田園を黄金色に染めており本当に美しかった。
一九八七年六月