夏休みに部活の夏合宿があることは、入部した後に知らされていた。寝泊りする場所は学校の教室で、期間は一週間だった。
夏休みに入り、合宿の期間が八月一日から一週間と決まった。合宿の練習は相当厳しいと聞かされていた私は、無事に一週間を乗り切れるのかとても不安だった。三年生は六月の春季大会を最後に引退しており、それ以降の部員は一年生と二年生だけとなった。夏合宿も一、二年生で行った。合宿期間中は、引退した三年生や普段からよく指導に来てくれる大学生OBに加え、社会人OBが差し入れを持って見に来ることも毎年恒例となっていた。
合宿当日は、着替えや生活用品などを入れた大きなカバンを抱えて、家から自転車で学校に行った。学校に着き教室に入ると布団が端の方に積んであった。食事は、毎年学校の前にある定食屋で賄われることになっていた。その定食屋の息女も以前、同じ高校に通っており、やはりバドミントン部だったという。そのような繋がりもあってその食堂に賄いを頼んでいた。
練習は、六時に起床した後のジョギング、午前の練習、午後の練習、夜の練習と一日中バドミントンに明け暮れる毎日だった。一年生は基礎トレーニングが多く、素振り千回、ランニングの他、腹筋、スクワット、腕立て伏せをやった後、コートに入ってパターン練習など様々な練習を行った。
一七時頃に夕食を取り、夜の練習前の休憩時間に体育館に入ると、壁に付いているいくつかの小さな窓から夕暮れ時の夕日色に染まった美しい空が見えたものだった。照明に照らされ静まりかえった体育館に滑り止めの効いたシューズの擦れる音が響いていた。
一九八六年八月