パズル

保育園での工作でパズルを作った事があった。ジグソーパズルのピースの形で、手のひらくらいの大きさの物が一人につき十数個用意されていた。

そのパズルのピーズは真っ白で絵を描けるようになっていた。子供達は、花などの絵を描いて絵具で色を塗ったりし、帰る頃まで乾かしていた。

帰宅時間前になると、自分の作品を取ってカバンに入れることになった。私は、自分の作った十数個以上のピースをカバンに入れた。すると、誰かが足りないということになって、一人ずつ何個取ったか先生が確かめていた。先生は私の取ったピーズを数えて、多い分を他の子に渡していた。自分の作った物を数個返されてしまい、残った物は他の子のピースが混ざった状態となってしまった。

その時、私の考えていた事は、自分のためにたくさん取ったわけではなかった。その作品を持って帰って、歳の離れた姉とそのパズルで遊びたいと思っていた。その時に十数個では少ないからもう少したくさん必要だと思っていた。

先生や大人から見れば我がままで自分だけたくさん取ろうとした、と映ったと思うし事実は全くその通りだった。しかし、その時の私は自分のためではなく姉のために欲しかったと純粋に思っていた。

先生は、人の物を取ってはいけないと言っていたが、私がただたくさん欲しくて取ったと思われていると感じ、とても嫌だった。今でもそんな遥か遠い記憶が幾許かの苦味と共に懐かしく蘇ってくる。

一九七六年