小学六年の夏休み明けの二学期になると、全国大会出場という目標を果たしたサッカー部は、そのメインとなる活動も五年生以下の後輩達に移っていた。六年生もまだ小さな大会が残っていたので活動は続けていたが、以前ほどの力の入れ方ではなくなっていた。
秋が訪れ、小学校生活も残りが少なくなってくると、授業も自由な雰囲気になっていた。その中でも課外授業は楽しかった。クラスの三、四人でグループになり、学校外に出て畑や田んぼなどを観察するという理科の授業の一環だった。午後一時頃学校を出て三時くらいに戻るというものだった。
その当時、辺りは畑や田んぼが至ることろにあり、今のように所狭しと住宅が立ち並んでいる街並みとは随分違っていた。そのような畑を見て、野菜がどのように育っているかなどをノートに書きながら歩いた。
それは授業というよりは遊びに近く、友達と学校周辺を散歩しているという感じだった。観察は続けながらも、友達同士であれこれ会話しながら歩くのはそれだけで楽しいことだった。
今でもこのような授業はあるのだろうか。十一、十二歳の小学生数人が平日の午後、学校外を自由に歩き回るというのは今では許されそうもない。当時の田舎は本当に平和だった。今と比べれば不便だったが、子供にとっては昔の方がずっと自由に過ごせた世の中だったに違いない。
一九八二年