小学六年も卒業間近になる頃は、男子数人と女子数人で遊ぶことが多くなった。年齢的にもそんなことが楽しいと感じ始める頃だった。
河川敷までみんなで遊びながら歩いて行き、そこで誰がいいと思うかなど告白し合うのである。「いいと思うか」と言うだけで「好きか」とは言わないところに恥ずかしさが現れていた。みんな誰々がいいと思うと言い合ったりした。女の子の中には五人も名前を挙げる子がいた。
その他にはどんな話をしていたのだろうか。テレビの話だったり、アイドルの話だったり、他愛も無い会話で笑い合いながら楽しい時間が過ぎていったのだろう。辛いことが多かった小学生時代だったが、そんな日々もあった。
あの時、季節はまだ寒かったが春の訪れを感じさせる清々しい日だった。大きな川沿いの土手がどこまでも続いているように感じられた。ゆっくりとした川の流れに時の流れが呼応しているかのようだった。
そんな川沿いも随分前に再開発され、あの土手は姿を変えてしまった。いつの日か、またあの場所でゆっくりとした時の流れをあの頃のように感じたい。
一九八三年