小学二年になると、既存の校舎では足りなくなり、臨時のプレハブ校舎が建てられた。本来の教室とは違って、べニア板の独特な匂いが常に漂い、夏場は蒸し暑さがひどく、ただでさえ寒い冬場は一層寒かった。
プレハブ校舎は、学校の敷地の空いている場所に無理に建てたので、陽射の入りも悪くいつも暗い雰囲気だった。
ある日の午後、五限目か六限目だった。季節は夏場で部屋の空気は淀んでおり、時間が止まっているのかと思うほど時の流れがゆっくりに感じられた。教室には先生の板書の音や声だけが響き、生徒の方は物音ひとつ立てず、その時間が早く過ぎ去ることを願っているかのようだった。その授業中に気分が悪くなり早退した生徒が出た程だった。
学校自体は、近代的な建物だったが、プレハブ校舎だけは時代が違うのかと思うほど劣悪な環境だった。あのベニヤ板の匂いと共にうだるような夏の暑さを感じながら、ただただ早く学校が終わって欲しいと願っていたあの頃だった。
一九七八年